【経営コラム】経営判断のための指針6カ条!


○「アッパーニッチ」な領域を「地上戦」で狙う。
○「ワンマン経営」で「尖った経営(=エコ贔屓な経営)」を行う。
○「程度加減の判断」を重んじて、「ベター」で良しとする経営を行う。

経営に正解などありません。
それでも、偉人たちが共通して提唱しておられるおおむね共通のルールはあります。
以下、ご確認ください。

◆1:常に『アッパーニッチ』(×ロアマス)を目指します。

…商品やサービス、市場の開拓時には『アッパーニッチ』を狙います。絶対に『ロアマス』は狙いません。

『アッパーニッチ』とは、高級、高付加価値ゾーンの隙間のことです。『ロアマス』とは、低価格帯のBIGマーケットのことです。経営資源の乏しい中小規模企業は、常に局地戦に臨むべきです。絶対に広域で戦うべきではありません。また、低価格帯のビジネスは、そのスケールメリットや経営管理の優れた大企業向けです。

◆2:まず『地上戦の営業』(×空中戦の営業)を企てます。

…新しい物やサービスを世に問う時には、まずは自分の足で、自分の人脈の範囲内から攻め込みます。空中線は、地上戦での検証を終え、地上戦営業で加速を付けた後に行います。

『地上戦の営業』とは、自分の人脈の範囲内での営業活動のことです。『空中戦の営業』とは、マス媒体を活用する営業のことです。

◆3:『エコ贔屓な経営』(×総花的な経営)を行います。

…経営資源は、強いもの、伸びている所に集中して投下すべきです。総花的に分散してはいけません。人事においても、伸びている人をさら伸ばす…まずはこれです。

『エコ贔屓の経営』とは、長所に集中する経営のことです。『総花的な経営』とは、分散する経営のことです。経営資源の乏しい中小規模企業は、バランスよりも尖ることに重点を置くべきです。

○上記(◆1~◆3)は、大きく広く総花的に攻める、この考え方を戒める指針です。一方、狭く深く尖った経営を狙う、これは、異論をはさめないぐらい確立された経営指針であるはずです。しかしながら、今も多くの経営者が、大きく広く総花的に攻めようとしています。軌道の修正が必要です。

◆4:『ワンマンな経営』(×協議の経営)を行います。

…衆智を集めることは重要です。しかし、結論を協議して出す
…これは正しくありません。社長一人が全責任を負って決めます。

『ワンマンな経営』とは、経営判断は社長が一人で決める、この自覚を持つ経営のことです。『協議の経営』とは、協議して経営判断を下すことを意味します。企業経営において、総意が正しいケースは稀です。特に厳しい方向への判断は社長にしかできません。

○社内の総意、これほどいいかげんなことはありません。社内の総意に判断をゆだねるお人好し社長がうまく行くケースは稀有です。

◆5:『程度加減の判断』(×YESかNOの判断)を意識しながら経営します。

経営判断の多くは、YESかNOではなく、もっと早く、もっとたくさん、いや、セーブして…このように程度加減を決めることが多いものです。経営とは程度加減を計っている…この認識が重要です。

『程度加減の判断』とは、その程度加減を決めることです。
『YESかNOの判断』とは、その判断の可否を決めることです。方向性の判断よりも、程度加減の判断の方が難解です。常に程度加減を計りながら進めてください。

○程度加減の判断も、極めて重要な経営判断の範疇です。アクセルとブレーキは、トップが直接踏むべきです。

◆6:『ベターな経営』(×ベストの経営)を目指します。

経営の場で、ベストな状況に遭遇する機会は稀です。ベストにこだわり過ぎると前に進めません。経営はベターの集合体である…この達観が必要です。

『ベターな経営』とは、ベターを良しとする経営のことです。
『ベストな経営』とは、あくまでもベストありきで進める経営のことです。また、ベストな環境を待ちすぎて、結果、手遅れになるケースも少なくありません。

○「ベターな環境下で、ベターをベストに近づける行為」これが経営ではないでしょうか。
ベストな状況・環境…これらはないものねだりです。

以上ご確認ください。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。遠慮なくご相談ください。