【お役立ち情報】所得拡大促進税制の拡充について


…賃上げ実施による法人税の減税が拡大されます

資本金1億円以下の中小企業における賃上げを促すため、平成29年度の税制改正により「所得拡大促進税制」を拡充し、賃上げを実施した中小企業の法人税の減税額を引き上げる方針が固められました。

■所得拡大促進税制とは
この制度は平成25年度に導入され、中小企業だけでなく大企業も活用することができる制度です。具体的には、平成24年度の給与支給総額に比べて3%以上、また、支給総額と従業員(雇用保険の一般被保険者)の月割りの平均給与が前年度以上となる場合に、増加分の10%が法人税額から減額されるという制度です。
※減額幅は法人税額の10%(中小企業等は20%)が限度とされています。

■制度拡充の内容
平成26年度には約7万4千社の中小企業がこの制度を利用したと言われていますが、中小企業全体から見ればごく一部にとどまっています。そこで、中小企業の賃上げを促すために、法人税額の減額の幅を給与等支給増加額の10%から20%に引き上げる、というのが拡充方針の内容です。

■対象となる賃上げ
この制度の対象となる賃上げには、正社員の基本給の引上げ(ベースアップ)だけでなく、賞与支給額やパート・アルバイトの賃金の引上げも含まれます。
人材確保のためにパート社員の正社員化を進めたり、最低賃金の引上げ等に伴って時給の引上げを行ったりしている企業でも要件を満たす可能性があります。
また、この制度は事前申請なしに利用できるので、業績の伸びに伴って賞与支給額を増やしたような企業にとっても制度を利用できるチャンスかもしれません。
一度、自社の給与支給総額の変化を確認してみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。