【実践コラム】金融機関の種類


…種類ごとの特性の違いを理解しましょう

金融機関はいくつかの種類に大別でき、それぞれ特性が違っています。しかし、金融機関の種類について深く考える機会はあまりなく、経営者様の多くは、何となくご縁があった金融機関とお付き合いをしているというのが実情ではないでしょうか。
企業にとって密接な関係のある金融機関についてまとめます。

◆政府系金融機関
最も有名な政府系金融機関は日本政策金融公庫です。預金取引は行わない融資取引のみの金融機関で、信用力が低い創業時からお付き合いできる数少ない金融機関です。企業規模に関わらず、事業資金の融資相談に乗ってもらえます。

◆メガバンク
明確な定義はありませんが、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行の3行を3大メガバンク、りそな銀行を加えた4行を4大メガバンクと表現することが多いようです。規模が大きく全国に支店があるため、口座を持っているという方も多いとは思いますが、事業資金のプロパー融資取引となると、規模の小さな中小企業にとっては、少し敷居の高い金融機関です。

◆地方銀行
各都道府県に本店があり、地域経済の発展に尽力している金融機関です。地域経済に大きな影響力を有する企業や地場産業を営んでいる企業を中心として、主に地域の中小企業向けに融資取引を行っています。メガバンクとは違った役割を担っていますが、「銀行」ですので、審査の傾向はメガバンクと似ています。

◆信用金庫
地域経済の発展に尽力している点においては地方銀行と同じですが、信用金庫は、地方銀行よりも、さらに地域の細部に根付いています。経営形態も銀行とは違い、企業が出資者となって相互扶助を目的とする協同組織型の金融機関です。よって、まず出資をして会員とならなければ融資取引をしてもらえないのが一般的です。小規模の事業者にとっては、身近な存在です。

◆ノンバンク
預金の受け入れは行わず、融資取引のみを行う金融機関をノンバンクと言います。信販系やリース系の金融機関もノンバンクに分類されます。金利は高いものの手軽に利用できるメリットがあります。

他にも農協等の協同組合や、信託銀行等の金融機関もあります。事業資金の融資を受ける場合は、金融機関のネームバリューではなく、特性を理解して選定することをおすすめします。