【実践コラム】経営力向上計画の認定について


…設備投資をお考えの企業様は必ずチェックしてください

2016年に施行された「中小企業等経営強化法」について、現在の状況を解説します。

中小企業等経営強化法とは、製造、卸・小売、外食・中食、宿泊、医療、介護、保育、貨物自動車運送業船舶、自動車整備等の事業分野ごとに、各事業の所管大臣が示した経営力向上のための取組(顧客データの分析、ITの活用、財務管理の高度化、人材育成等)に基づいて計画を立て、認定を受けることにより、税制面の支援等を受けられるという仕組みです。

中小企業庁によると、平成30年6月30日現在の認定件数は63,469件ですので、認定を受けている中小企業は、まだまだ少ない状況ですが、設備投資を予定している企業にとっては次のメリットがあります。

◆ 経営力向上計画の認定を受けるメリット
1.計画に基づいて行った設備投資について、固定資産税が3年間半分になります。

2.計画に基づいて行った設備投資について、全額を即時に償却することができます。
もしくは、設備投資額の10%の税額控除を受けることができます。

3.日本政策金融公庫、及び商工中金による低金利融資、信用保証協会の保証枠の拡大が受けられます。

税金が安くなることは中小企業にとって大きなメリットです。
設備投資を行う予定があるならば、利用することをおすすめします。具体的な流れは次のとおりです。

1.工業会等による証明書や、経済産業局による投資利益率に関する確認書を取得します。
2.当該設備を利用し生産性を上げるための「経営力向上計画」を策定し、各事業分野の担当省庁から認定を受けます。
3.認定を受けた計画に基づき、当該設備を取得します。

2で策定する「経営力向上計画」が大変そうだと思われたかもしれませんが、「経営力向上計画」は、A4サイズの申請書が2枚だけです。それほど大変な作業量ではありません。

500万円の設備投資を行ったと仮定すると、即時償却の場合は、当期の法人税を150万円(実効税率30%とした場合)削減することができ、税額控除を選択した場合は、法人税を50万円削減したうえで、減価償却も通常通りに行うことができます。

ご自身で計画の策定が難しい場合は、認定支援機関の支援を受けて策定することもできますので、弊所までご相談ください。