【経営コラム】金融機関対応に関する3つのルール!


■1:(雨傘ではなく)日傘理論!
■2:年商対比で、今より10%多くの運転資金を持ち続けること!
■3:融資を受けるための数値計画作成のコツ!

■1:(雨傘ではなく)日傘理論!

『金融機関が貸し出す傘はすべて「日傘」(○)です。「雨傘」(×)ではありません。貸し出す資金が預金者から預かった預金だからです。損失を出すわけにはいきません。故に金融機関は、企業に対して健全かつ前向きな資金しか貸し出せません。』
※雨傘は、一部の制度融資・制度保証のみです。

「借りられる時に借りられるだけ借りておく」ことこそ最善の策です。健全な時に、近未来に遭遇するかもしれない「谷」や「まさか」に備えて資金調達を継続して行い続けること、これ以外に方法が見当たりません。これこそが、金融機関対応の大原則です。

■2:年商対比で、今より10%多くの運転資金を持ち続けること!
※有り余るほどの現預金がある会社様・社長様は除きます。

○年商5億円の社長様、追加で5,000万円の運転資金を持ち続けませんか?
○年商2億円の社長様、追加で2,000万円の運転資金を持ち続けませんか?
○年商5,000円の社長様、追加で500万円の運転資金を持ち続けませんか?

◆年商対比で、今より10%多くの運転資金を持ち続けることの長短を考えてみましょう。

○短所は…
・借入金利を2%とすると、経常利益が0.2%ダウンします。
・その他の短所は見つかりません。
借入れと合わせて現預金も増えます。実質の借入金額は増えません。また、返済の原資はこの借入金です。借入れ前の資金から返済するわけではありません。返済しながら現預金も減少しますが、その分借入残高も減少します。

○長所は…
・余裕資金を持つことで、資金繰りの苦労から解放されます。
・経営上の安全率が向上します。万が一に備えられます。
・投資などの必要な資金需要に素早く対応できます。
(投資に使ったら別途資金調達が必要になりますが、一刻を争う時はこの資金を利用できるとの意味です。)
慢性的に資金繰り業務に追われておられる社長様は少なくありません。この資金繰り業務を極小にして、本来の社長業務に専念できます。

◆どうすれば、年商対比で今より10%多い現預金を持ち続けることができるのか?
業績の良い時に運転資金の借入れを最大限行ってください。
約定返済付きの運転資金は、返済が伴います。時間の経過に伴って、現預金残高=借入金残高も自然に減少します。一定間隔で、借り換え、巻き直しを継続して行います。

○『借りられる時に借りられるだけ借りる。』
○『返済分を一定期間ごとに借り替え・巻き直しで補い続ける。』

長期間に渡り、戦略的に資金調達と巻き直しを、さらには金融機関対応を丁寧に行うことで、ある程度の業績が伴えば実現できます。

■3:融資を受けるための数値計画作成のコツ!

売上目標が大きすぎると、その蓋然性の説明に苦慮します。
売上目標が小さすぎると、その借入の返済ができません。
※自社の事業を広く世に問う、このような状況の事業(数値)
計画ではなく、金融機関向けの計画書を想定しています。

創業融資や設備投資、新店出店時の融資を受けるためには、金融機関に提出する数値計画の作成が必要です。どのような計画を作成するのか、コツをお伝えします。売上目標が大きすぎると、その蓋然性の説明に苦慮します。
一方、売上目標が小さすぎると、その借入の返済ができません。銀行融資プランナー協会の推奨する財務部長として当事務所が作成する数値計画は、融資金額を返済するために必要な(返済後)損益分岐点売上を基準にした資金繰り計画書です。資金が適切に回るように逆算して作ります。単に融資のためだけの計画にはなり下がりません。社長様に対して、最低限必要な売上を示唆する目標計画としての役目を果たしています。

中小零細企業経営者が忘れておられる(または知らない)【金融機関対応に関する3つのルール!】を紹介しました。
行間の真理も含めてご理解いただければ幸いです。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。遠慮なくご相談ください。